次の50年見据え意識改革徹底を
中興化成工業が、新たな業容拡大に向けた事業戦略の策定作業に入った。2013年に創業50周年を迎えることを受け、まず、次の50年における会社の基本方針を見つめ直したうえで、事業ポートフォリオを拡大するための事業戦略作りに入る考え。庄野直之社長は「自分たちのフィールドの間尺にあうなら、どのような事業でも展開する可能性がある」と述べ、現在の主力事業に縛られない新たな戦略作りを行うことも示唆した。
中興化成は、63年にフッ素樹脂の専門加工メーカーとして創業。これまで、ガラスクロスやアラミドクロスなどにフッ素樹脂を含浸したファブリック、ベルト、粘着テープをはじめ、膜材「フッ素樹脂膜材、フッ素樹脂銅張積層板、射出成形品、チューブホースなどを開発し、半導体・通信・自動車・食品・化学・建築と、幅広い産業分野に事業を展開している。このうち、ガラス繊維に4フッ化エチレン樹脂をコーティングした独自の膜構造用恒久屋根膜材「フッ素樹脂膜材は北京オリンピックのメインスタジアムである北京国家体育場(通称―鳥の巣)に続き、10年に南アフリカで開催されるサッカーワールドカップのスタジアムでも採用が決定するなど、世界屈指の技術力が認められ特殊コーティング加工メーカーとしての認知度が高まっている。
一方で同社は、85年に生分解性プラスチックの研究開発に着手し、その成果を生かし01年に環境リテイル商品事業を立ち上げたほか、04年にはシリコーンコーティング事業に参入し、自動車用サイドカーテンエアバッグのコーティングをスタートするなど、フッ素樹脂加工以外の事業も積極的に拡大している。
こうしたなかで中興化成は、「次の50年に向けどのマーケット、どの製品で当社が事業を伸ばしていくのか、それぞれのドメインで議論を開始している」(庄野社長)とし、2013年に向け新たな成長峨略の策定作業に入ったことを明らかにした。
庄野社長は「10年前に入社して以来、社員に対し『顧客の課題を解決すること』が当社の“目的”であり、“樹脂加工”はその手段に過ぎない、と繰り返し説いてきた。自らの事業フィールドを自分で狭めてはいけない。まず自社の定義が何かについて、担当者レベルが自ら考えることが大切だ」と述べ、飛躍に向けた意識改革を徹底したうえで、新規分野への参入を含めた新たな事業戦略を構築していく考えを示した。