AGF-100 FRとASF-110 FRの違いは？特徴や製品別の用途例をご紹介

弊社では、ふっ素樹脂製品を数多く取り扱っておりますが、その中でも特に長年多くのお客様にご愛用いただいている製品がございます。

それが「AGF-100 FR」と「ASF-110 FR」というふっ素樹脂粘着テープです。
しかしながら、「製品の違いが分かりづらい。どちらを使用すれば良いかわからない」という声をよくいただきます。

今回は、少しでもお客様の製品選定にお役に立てるよう、この2製品の特長や違い、用途をご紹介いたします。

AGF-100 FRとASF-110 FR の違いとは？

AGF-100 FRとASF-110 FRの大きな違いは基材の構成にあります。
AGF-100 FRの基材はふっ素樹脂を含浸させたガラスクロス、ASF-110 FRの基材はふっ素樹脂のフィルムです。
外観的には、AGF-100 FRは布テープのように「表面に小さな凹凸があり」、ASF-110 FRはビニールテープのように「表面が平滑」になっています。
なお、両製品の粘着剤には、ふっ素樹脂の耐熱性を生かすために耐熱性に優れるシリコーン系感圧粘着剤を使用しています。
それでは、基材の違いが実際にどのような働きをするのか、ご説明いたします。

AGF-100 FRの特徴

上述したようにAGF-100 FRはふっ素樹脂を含浸させたガラスクロスを基材に使用しています。
ふっ素樹脂の特長に加え、ガラスクロスの機械的強度を持つことが大きな特徴です。
ガラスクロスは、ガラス繊維と呼ばれるガラスの非常に細いフィラメント糸を織物にしているため、耐久性や耐熱性、寸法安定性に優れています。
そのガラスクロスにふっ素樹脂を含浸させた基材にシリコーン系粘着剤を塗布したものがAGF-100 FRになります。

寸法安定性

ASF-110FRと比較し基材にガラスクロスがあるので、高温環境下で使用しても寸法変化が起きにくい

絶縁性

ふっ素樹脂、ガラスクロスともに絶縁性に優れています

非粘着性・離型性・滑り性

ふっ素樹脂の非粘着性・離型性に加え、ガラスクロスの凹凸により滑り性も良くなります

耐薬品性

ふっ素樹脂はあらゆる薬品に侵されない特徴を持っています

耐熱性

最高使用温度200℃まで使用可能です

ASF-110 FRの特徴

一方、ASF-110 FRは純粋なふっ素樹脂のフィルムを基材に使用しています。そのため、ふっ素樹脂の特性をそのまま持つことが大きな特徴です。

柔軟性

AGF-100 FRと比較しふっ素樹脂特有の柔らかさを持ち追従性に優れます

絶縁性

ふっ素樹脂はプラスチックの中で最高レベルの絶縁性をもちます

非粘着性・離型性・滑り性

ふっ素樹脂はあらゆる物質がくっつきにくい特長があります

耐薬品性

ふっ素樹脂はあらゆる薬品に侵されない特徴を持っています

耐熱性

最高使用温度200℃まで使用可能です。

どのような使い方があるの？

それでは、以上の特徴を踏まえてそれぞれの用途をご紹介いたします。

AGF-100 FRの用途

AGF-100FRの代表的な使用方法は下記です。
基材の強度と耐熱性、離型性に優れることから、ヒートシール機のヒーター保護に多く使用されています。
その他にも、絶縁性に優れている点を利用した絶縁テープなどで使用されています。

・ヒートシール機のヒーター保護と離型
・電線等の絶縁テープ
・金型成形時の離型用テープ

ASF-110 FRの用途

ASF-110FRの代表的な使用方法は下記です。
被着体の形状に沿って、離型性や滑り性、耐薬品性を付与したい場合や滑り性と絶縁性の両方を求められるケーブル結束用途などに使用されます。

・シュートやホッパーの摩擦面ライニング
・ケーブル結束や絶縁用スペーサー
・塗装、メッキ工程等での薬液のマスキング用途

まとめ

AGF-100FRとASF-110FRの違いについてお分かりになりましたでしょうか。
AGF-100FRはふっ素樹脂を含浸させたガラスクロスを基材とし、ASF-110FRはふっ素樹脂フィルムを基材とした粘着テープです。
基材の違いにより、機械的強度を求める用途にはAGF-100FR、追従性や絶縁性を求める用途にはASF-110FRが多く使用されています。

弊社では、この製品を中心として、耐熱性向上品、引張強度向上品など、より付加価値を付けた製品の開発・製造・販売を行っております。
ふっ素樹脂製品に関するお悩みはお気軽にご相談ください。