フッ素樹脂プラスチックについて

中興化成工業株式会社は1963年の創業以来、他に類を見ない性質を持つ「フッ素樹脂」に着目し、研究開発に努めて参りました。
屋根膜材料、ファブリック、粘着テープ、チューブ、基板、成形品など製品群は多岐に及びます。
製品や加工技術についてお気軽にお問い合わせください。

フッ素樹脂とは、フッ素原子を含むプラスチック原料の総称です。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)をはじめとする9品種があります。
耐熱性、滑り性、非粘着性、耐薬品性、低摩擦性、絶縁性に優れた性質を同時に兼ね備えるプラスチックです。
その特性を生かし、食品・化学・半導体・液晶・理化学機器・輸送など多くの業界で幅広く活躍し、現代産業を支えています。

略称名称(日本語名称)
PTFEポリテトラフルオロエチレン(四ふっ化エチレン樹脂)
PFAパーフルオロアルコキシアルカン(四ふっ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)
FEPパーフルオロエチレンプロペンコポリマー(四ふっ化エチレンー六ふっ化プロピレン共重合樹脂)
ETFEエチレンーテトラフルオロエチレンコポリマー(四ふっ化エチレンーエチレン共重合樹脂)
PVDFポリビニリデンフルオライド(ふっ化ビニリデン樹脂)
PCTFEポリクロロトリフルオロエチレン(三ふっ化塩化エチレン樹脂)
ECTFEエチレンークロロトリフルオロエチレンコポリマー(三ふっ化塩化エチレンーエチレン共重合樹脂)
TFE/PDDテトラフルオロエチレンーパーフルオロジオキソールコポリマー(四ふっ化エチレン・パーフルオロジオキシソール共重合樹脂)
PVFポリビニルフルオライド(ふっ化ビニル樹脂)

テフロン(Teflon)™とは

テフロン™とはケマーズ社が製造するフッ素樹脂の商品名です。
のちに、テフロン™と呼ばれるPTFEは1938年に米国デュポン社のプランケット博士によって発見されました。

プランケット博士は新しい冷媒の研究課程で、四ふっ化エチレン(TFE)ガスを実験用の圧力容器に保存していました。ある日、蓋を開けたところガスは出てこず、容器を切断して調べた結果、内壁から白い粉が出てきました。
これがPTFEだったのです。
この時の実験ノートはデュポン社に今でも保存されています。

第二次世界大戦中は軍用製品をとして利用されていましたが、1945年にデュポン社はPTFEをテフロン(Teflon)™として商標登録し、1946年からは民生用としても販売を開始しました。
これにより多くの産業への利用が可能となりました。
2015年ケマーズ社がデュポン社からの分社・独立し、テフロン™ (Teflon™)の商標もケマーズ社に移管されました。
我社は2017年7月ケマーズ社とフッ素樹脂粘着テープについてテフロン™ (Teflon™)商標使用許諾契約を締結しています。

Teflon™およびテフロン™はケマーズ社のトレードマークです。中興化成工業株式会社はライセンスに基づき使用しています。

フッ素樹脂の歴史

製造会社できごと
1937L.G.FarbenPCTFE(三ふっ化塩化エチレン樹脂)を発見
1938DuPontPTFE(四ふっ化エチレン樹脂)の発見
1940DuPontPTFE(四ふっ化エチレン樹脂)を工業化
1948DuPontPVDF(ふっ化ビニリデン樹脂)の発見
1950DuPontPVDFを本格生産
1954ダイキン工業PCTFE(ダイフロン®CTFE)を工業化
1955ダイキン工業PTFE(ポリフロン®TFE)を工業化
19573MPCTFE(Kel F®)製造権を獲得
1959DuPont-日東化学PTFE(テフロン™)の製造を開始
1962ダイキン工業FEPを工業化
1965PenwaltPVDF(Kynar®)の生産を開始
1970呉羽化学工業(現:クレハ)PVDF(KFポリマー®)を工業化
1972DuPontETFE(Tefzel®)を工業化
DuPontPFA(テフロン™)を工業化
旭硝子ETFE(フルオン®ETFE)を工業化
1976三井・デュポンフロロケミカルPFA(テフロン™)の生産を開始
1982ダイキン工業ネオフロン®PFAを工業化
1983旭フロロポリマーPTFEの生産を開始
1986三井・デュポンフロロケミカルFEP(テフロン™)の生産を開始
1987旭硝子フルオン®PFAを工業化
1988各社軟質フッ素樹脂を本格生産
1989旭硝子耐候性フッ素樹脂塗料の生産を拡大
1994三井・デュポンフロロケミカル,
ダイキン工業
変性PTFEの生産を拡大
1996三井・デュポンフロロケミカル半導体向けの新しいPFAを本格生産
2004旭硝子フッ素樹脂のリサイクル技術開発に成功
2006クレハPVDF樹脂の生産を拡大

PTFEの特性

PTFEはその分子構造から様々な特性をもっています。

 組成式立体構造
PEPEPE
PTFEPTFEPTFE

特性1耐熱性、耐燃焼性(耐酸化性)、耐候性(耐紫外線性)がある

理由:C-F結合の結合エネルギーが高いため

 結合エネルギー[kJ/mol]
C-H結合(CH₄の場合)412(CH₄)
C-F結合(CF₄の場合)484(CF₄)

特性2非粘着性、撥水・撥油性がある

理由:分子間引力が小さく、表面自由エネルギー(表面張力)が低いため

材料の種類水に対する接触角[ 度]接着エネルギー[dyn/cm]
PTFE11443.1
シリコーン樹脂90 ~ 11047.8 ~ 72.7
PE8875.2

特性3耐薬品性がある

理由:フッ素原子(F)がC-C鎖の周囲を埋め尽くした構造のため


特性4低屈折率、低誘電率がある

理由:C-F結合の分極率が小さいため

【備考】
・C-F:炭素原子-フッ素原子結合
・C-C:炭素結合-炭素結合
・分極率:電場の中に置かれた時の電子の動きやすさ
【参照】
・日本弗素樹脂工業会 フッ素樹脂ハンドブック

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